始まりは、とあるシガーバーのカウンター

その日もK氏はいつものように、仕事が終わったその足で知り合いのN氏のバーへ立ち寄りました。カウンター席に座り、大好きなシングルモルトをストレートで飲みながら、マスターとNFL談義で盛り上がっていました。マスターのN氏も大のNFLファンで、「プライムタイム」ことディオン・サンダースが特にお気に入りです。そもそもK氏とマスターが親しくなったのもこのNFL&ディオン・サンダースが縁なのでした。

その週試合結果や、間近に迫ったプレイオフについて話しながら、昼休みに買った「タッチダウンPRO(NFL情報満載の月刊誌。本屋でこれを手にした人を見るだけで親近感が沸いてしまうという代物)」をパラパラめくっていると、NFLファンにはおなじみ後藤完夫氏の監修した「フラッグフットボール入門」の広告が目に入りました。まずそれ反応したのがマスター。

「これいいじゃん。やってみるか。」
マスターが雑誌の広告を指さしてます。

「フラッグフット?ふ〜ん。いいですけど、どんなんですか?」
タッチフットはテレビで観たことあるけども。

「腰のところに、この位のフラッグつけて、それを取るのがタックルの代わりになるの。」
ゼスチャー交えて説明です。

「へぇ〜、それならできるかも。いいっすね。道具とかいくら位するんですかね?」

「そんなにかからないでしょ。人数集めて一人二千円ずつ位出してもらえば後は出すよ。」

「でも、人数集まります?」

「何人か心当たりがあるから声掛けてみるよ。」

「場所は市役所で借りるんですかね、やっぱり。確認してみます?」

「うちの近くの河川敷に空き地があるから今度見てくるよ。多分大丈夫だと思うよ。」

「そっかぁ。楽しみだなぁ。ボールとか全然投げたことないし、うまくできるかな?」

などと当時を思い出しながら書いてみましたが、まぁ、概ねこんな感じだったろうと思います。そして2週間ほどで人も揃い、道具も届きました。シガーバーの営業が終わり、河川敷まで車を走らせた早朝5:00。霜の張った芝生を踏みながら初めてのキャッチボールをしたのは、正月気分も抜けてきた一月の寒い朝のことでした。